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なぜ出席不要のオンライン講義などの「自主学習」はうまくいかない場合が多いのか?

インターネット上で誰もが専門的な講義を受講可能な「Massive open online course(MOOC)」といった出席不要の講義プログラムは、地理的条件や時間的制約に縛られずに学習することができる非常に便利なものです。その一方で、MOOCのような学習プログラムは講義を最後まで修了できる割合が少ない点も指摘されており、「なぜ出席不要の自主学習はうまくいかないのか?」という疑問についてBrainStationがまとめています。

Why We Need More Than 'Learn At Your Own Pace' | BrainStation Blog
https://blog.brainstation.io/why-we-need-more-than-learn-at-your-own-pace/

MOOCを始めとする柔軟な学習モデルは多くの人々に自主的に学習する機会を提供していますが、なんとMOOCのコースを修了する人の割合は、なんと0.5~10%に満たないとのこと。時間や居住地といった障害がないにもかかわらず、オンライン講義でしっかり学習できる人はかなり少ないことがわかります。

ニューヨーク州立大学の研究チームが実施した、1世紀にわたる2万8000人の学生のデータを分析した研究によれば、学生の成績は講義への出席率と大きく関係しているそうです。出席率は大学進学適性試験(SAT)のスコアや高校の成績、学習能力といった要素を上回る学生の成績の予測因子であるとのこと。研究チームは「オンライン受講や講義内容をまとめた教科書などがいくら発達しても、講義へ出席することの重要性は低くならない」と結論づけました。

学生が講義を欠席することの成績への影響を調べたイギリスのウォーリック大学(PDF)研究では、成績優秀な学生の成績は「講義が行われない」ことで大きなダメージを受けたとのこと。また、エクセター大学が行った(PDF)研究でも、「学生がオンライン講義に無制限にアクセスできる環境を提供しても、やはり講義に出席することは学業成績を決定づける重要な要因である」と明らかになったそうです。

 

☆出典は:

gigazine.net