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小説をチャット感覚で読む 銀魂もナルトも…手軽さ人気

スマートフォンでおしゃべりのような感覚で読める「チャット小説」が、新たな読書スタイルとして注目されている。アメリカの人気アプリで火がつき、日本でも出版大手の集英社が参入し、人気漫画「銀魂(ぎんたま)」などをチャット小説に仕立てて提供を始めた。

 チャット小説は、LINEのようなメッセージ形式で、話者のアイコンや名前と共にセリフが吹き出しで表示される。画面をタップすると、会話文を主体に話が進む。一話を2~3分程度で読める手軽さがうりで、ホラーや恋愛ものが多い。プロの書き手による作品だけでなく、一般人が投稿したものも読める。

 流行のきっかけは、2015年に米国でサービスが始まった小説アプリ「HOOKED(フックド)」。米モバイルデータ調査大手アップ・アニーによると、いまも書籍関連アプリのダウンロードランキングで上位につけ、総ダウンロード数は約2400万に達している。

 日本では、「ガラケー」と呼ばれる携帯電話が全盛のころは「恋空」などのヒットを生み出したケータイ小説が人気を博した。しかし、ゲームや動画など多様な娯楽を楽しめるスマホの普及に伴って、小説コンテンツの需要が落ち込むのではないかと危惧された。

 ところが、ネット関連会社「DMM.com」のグループ会社が17年にチャット小説アプリ「DMM TELLER(テラー)」の提供を開始すると、今年6月現在、累計ダウンロード数は365万になった。「最適化した見せ方ができれば、携帯端末で小説を読みたいという需要は根強いはず」と運営にあたる蜂谷宣人さん(32)は自信を見せる。

 集英社は今年6月、アプリ「TanZak(タンザク)」の配信を始めた。「NARUTO―ナルト―」「マリア様がみてる」など同社の人気作品をチャット小説にアレンジし、1500話以上をそろえる。デジタル事業部の漆原正貴さん(28)は「とても有望な市場。良質な作品を持っている出版社の強みをいかしたい」と話す。(興野優平)

   

出典は:

digital.asahi.com