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激化する音声通訳アプリの開発競争

日本人が苦手としてきた言葉の壁が、人工知能(AI)をつかった最新技術による克服されようとしている。AIによる翻訳、同時通訳技術を開発している国立研究開発法人情報通信研究機構NICT)はこのほど、日本記者クラブで音声翻訳アプリ「ボイストラ」を使った日本語、英語、中国語による自動翻訳の実演を行った。研究開発を行っている隅田英一郎NICTフェローは「東京オリンピックまでには、いまの『ボイストラ』の翻訳の精度を高めて、世界最高の翻訳アプリを作り、あらゆる場所で音声翻訳が使われるようにしたい」と意気込みを述べた。

オールジャパンで開発

 日本で音声翻訳が始まったのは1986年だったが、当時は決まった型の文章しか翻訳できず、文法に沿ってないものは翻訳できにくかった。翻訳された音声もロボットがしゃべるような声で、違和感があった。その後93年にできた音声通訳システムは1文を翻訳するのに30秒もかかり、実用化するには程遠いものだった。

 2008年には改良して翻訳機を作ったものの、弁当箱サイズと大きかったため利用されなかった。「ボイストラ」はそれまでとは異なるコンセプトで2010年8月からスマートフォン搭載アプリ用に開発を進めた同時通訳技術で、「アイフォン」「アンドロイド」の両タイプのスマホに使えるようにした。14年からは国家プロジェクトとなりグローバルコミュニケーション計画になり、通信、電機メーカーなどから40人の優秀なエンジニアが参加したオールジャパンで開発を加速させてきた。5年前の段階の「ボイストラ」は誤訳が目立つなどしたが、この1、2年のAIを活用したニューラルネットワーク技術、通信速度の高速化などにより翻訳精度が飛躍的に改善した。

 

☆出典は:

wedge.ismedia.jp