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ロボットをだれもが簡単に。32歳の起業家が語る夢

警備、介助、農業、工場、果てはホテルの受付まで、「ロボット」の活躍の場は広がっている。朝日新聞のデータベースで「ロボット」とキーワードを打ち込んで調べたところ、2017年8月からの1年間で1105件だった。10年前は756件、20年前は482件、30年前は157件で、年を追って増加してきた。

ロボットと言えば、ソニーの犬型ロボ「aibo(アイボ)」など個人用もある。だが、価格は高くて用途も限られ、個人の日常生活とはまだ若干距離がある。かといって、ロボットを自作してしまおうと考える人は、そう多くない。部品や電子回路の調達、そしてロボットを動かすためのプログラミング……ハードルはとても高い。

中国南部の広東省深圳市。香港と歩いて行き来できるこの都市のベンチャー「Makeblock」が、ロボットづくりとその操作に使うプログラミングへの敷居を下げようと頑張っている。32歳の若き創業者が狙うのは、簡単にロボットをつくれるようにして、人々が持っている創造性を花開かせることだ。

試しにMakeblockの組み立てロボット「mBot」を、通販サイトの京東商城で買ってみた。車輪で動くロボットで、価格は544元(約8900円)だった。

届いた箱を空けると、説明書とロボットの部品が出てきた。部品はある程度の所まで最初から組み立ててある。だから、組み立てといっても、ねじやケーブルでつなぐだけ。ニッパーを使って切り離すことも、はんだづけする必要もなく、イケアの家具より多少複雑な程度か。ただ、ブルートゥースの送受信部を電子基板に組み込む作業が必要で、何げなく使っている機能を実現している部品の形状をしっかり意識することができた。40分ほどかけて、全部組み立てた。センサーが目のように見える概観で、かわいらしい。

iPhoneに専用アプリをダウンロードした。操作パッドをいじくって前後左右に動かせる。プープー音も出せる。とはいえ、これだけだとただの無線操縦できる車だ。違いは制御のためのプログラムを自ら組んで、それに従った動きをさせることができること。そう言うと難しいが、専門言語を覚える必要はない。移動や発光、音を鳴らすといった機能をアイコンで選んで、画面上に並べていくだけ。前後左右どの方向にどの程度の速さで進むのか、何色を何秒点灯させるのか、どのように音を鳴らすのか。簡単に調整できる。

Makeblockの創業は、最高経営責任者(CEO)の王建軍が感じたロボット造りの難しさが原点だった。ロボットが大好きで、ロボット関連の事業を興そうと深圳にやって来た王。秋葉原のラジオデパートのようなお店がたくさんある深圳の華強北で、パーツを買いあさって見て気づいた。「一からロボットをつくるのはとっても複雑。材料を探すのも、組み立て機器を探すのも、さらに知識も必要だった」

 

☆出典は:

globe.asahi.com