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超音波を使えば、「音」を発せずに音声認識デバイスを騙すことができる

セキュリティ関連技術を研究する中国人研究者が、「音」を発せずに音声認識システムを作動させる方法を開発した。人間には聞こえず、しかしマイクでは検知できる高周波音を用いるのだ。このしくみを用いて、人間には音が聞こえない状況で、さまざまなコマンドを発することに成功したのだそうだ。メジャーな音声認識アシスタントのすべてを操作することができたとのこと。

今回の成果を発表したのは浙江大学の研究者たちで、超音波を用いてコミュニケートするイルカたちにならって、用いた仕組みを「DolphinAttack(PDF)」と呼んでいる。しくみをごく簡単に説明しておこう。
音を発せずに音声アシスタントを動かす仕組み

電子デバイスに搭載されるマイクは、音波によって変化する空気圧に反応する小さくて薄い皮膜を利用している。人間はふつう、20キロヘルツ以上の音を感知できないので、一般的なマイクでも20キロヘルツ以上の「音」に反応しない仕組みが搭載されている。その仕組みはローパスフィルタと呼ばれている。

このローパスフィルタ機能が理論通りに機能すれば、たしかに意図した周波数の音声のみに反応することになる。しかし現実には「ハーモニクス」というやっかいなものが存在する。たとえば400Hzの音は、200Hzあるいは800Hzを捉えるようになっているマイクにも捉えられてしまうのだ(正確な仕組みは端折って、効果についてのみ記している。詳細を知りたい方はWikipediaなどを参照してほしい)。ただし「ハーモニクス」は、もとの音声に比べるとかなり小さく響くようになるもので、通常はハーモニクスの存在がなにか問題を引き起こすようなことはない。

ただ、100Hzの音を拾うマイクに対し、何らかの事情で100Hzのを発することができない事情があったとしよう。この場合、音の大きさを大きくすれば、800Hzの音でマイクを反応させることができるのだ。100Hzの音を発したことをさとられずに、マイクのみに100Hzのハーモニクスを伝達することができるのだ。人間の耳には800Hzの音のみが伝わることとなる。

 

☆出典は:

jp.techcrunch.com