カタツムリの粘液をヒントに開発された超強力接着剤の画期的性質とは?
クモの糸を人工的に再現した「人工合成クモ糸」や、ヌタウナギの粘液から開発された新素材が登場するなど、材料工学の分野では自然の生き物がヒントとなることが多々ありますが、新たに「カタツムリの粘液」から着想を得た強力な瞬間接着剤が開発されたことが明らかになりました。
カタツムリの粘液をヒントに新しい接着剤を開発したのは、ペンシルベニア大学で材料工学を研究するShu Yang氏らの研究グループです。「強力な接着力を持つが、必要なときにすぐはがせる」という材質を探していた研究グループは、カタツムリが生成する「エピフラム」に注目しました。このエピフラムはカタツムリが殻の中で休眠する時に、殻の入り口に張る膜のことで、カタツムリが分泌する粘液で作られています。この粘液から作られるエピフラムは乾くとセロハン状になり、カタツムリを外界から守るバリアになりますが、水に濡れると瞬時にふやけて再び粘液に戻ります。また、このエピフラムはカタツムリが休眠中に殻を壁面などにしっかり固定する役割も果たすそうです。
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