ノートルダム大聖堂の修復に希望、完璧な「3Dデータ」が存在
4月15日の火災で建物の大部分を焼失したパリのノートルダム大聖堂では、修復に向けたプロジェクトがさっそく始動している。そんな中、昨年亡くなった研究者が、建物の外観や内部の構造をレーザースキャナーでデータ化して作り上げた、非常に精巧な3Dモデルに注目が集まっている。
このデータを活用して再建を行えば、以前と変わらぬ姿のノートルダム大聖堂が復元できるかもしれない。3Dモデルを作成したのはアンドリュー・タロン(Andrew Tallon)という建築史家で、彼は聖堂の内部と外観の3D点群データを収集していた。タロンは2018年末に死去していた。
タロンのウェブサイトによると、レーザースキャナーを用いたデータにより、中世のゴシック建築の様式で建てられた大聖堂の姿を、ありのままに捉えることができたという。彼は「ライカ・ジオシステム・レーザー」を用い、レーザーストロボを建物の各所に照射することで、正確な位置を測定したという。
タロンは2015年に、大聖堂の50カ所以上のロケーションからスキャンを行い、高解像度のパノラマ写真を撮影し、3Dモデルを作成した。彼は10億個のデータポイントから成る点群データを、ソフトウェアを用いて3次元化したという。これらのデータを組み合わせることで、建物の完全なデジタルデータ化を実現した。
タロンは同じ手法を用いて、ワシントン大聖堂の3Dモデル化も行っており、作業の様子はユーチューブ上の動画で確認できる。
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