「発想の転換がすごい」 スライドさせて印刷するプリンタ、ネットで大反響 苦節5年、開発の舞台裏 (1/3)
紙の上でスライドさせると、文字や画像などを印刷できる――そんな手のひらサイズのプリンタ「RICOH Handy Printer」を、リコーが4月17日に発売する。本体の底にインクの吐き出し口があり、はがきに名前や住所を印字したり、段ボールの表面にバーコードをプリントしたりと、さまざまな用途に使える。
ネット上では「プリンタに用紙を投入して印刷する」のではなく「プリンタ本体を動かして印刷する」という発想の転換が話題を呼んでいる。同社が4日に製品を発表したところ、Twitter上では「すごい」「革命ではないか」といった声が上がった。
「ギリギリで望みをつないできた」――そう話すのは、リコーの原田泰成さん(オフィスソリューション開発本部 開発統括センター)。原田さんらが、モバイルプリンタのアイデアを思い付いたのは約5年前にさかのぼる。「リコーの製品ラインアップにはないものを考えよう」と開発を始めたが、その道のりは、プリンタヘッドの動きのようにサッとは進まなかった。開発の舞台裏を聞いた。
ニーズがあるか分からなかった
RICOH Handy Printerは、本体上部のボタンを押しながら、紙の上で水平にスライドさせると印刷できるモノクロインクジェットプリンタだ。ボタンを押したときの場所を基点とし、印刷するスペースを決定。搭載する光学センサーなどで、プリンタ自身の位置を把握しながら印刷し、一定の高さ以上、紙から離すとプリントが終了する。一度プリントした場所を行ったり来たりしても、重ね塗りされることはない。
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