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東大発の無線通信技術で“IoTの足かせ”なくすーーソナスが3.5億円を調達

IoT向け無線通信プラットフォーム「UNISONet(ユニゾネット)」を展開するソナスは10月9日、シリーズAラウンドでグローバル・ブレインとANRIから総額3.5億円を調達したことを明らかにした。

同社は東京大学で省電力無線センサネットワークの研究開発を行ってきたメンバーを中心に立ち上げられたスタートアップ。橋梁や建造物のモニタリングなど、土木・建設業界の企業を中心に無線センサを軸としたソリューションを提供してきた。

ソナスでは資金調達と合わせて、これまで限定的に展開していた加速度モニタリングシステム「sonas xシリーズ」の一般販売を始めることを発表。調達した資金を基に組織基盤を強化するとともに、工場やプラントなど同プロダクトの適用領域の拡大を目指すという。

最新技術を採用し無線センシングの抱える課題を解決

“IoT”という言葉が広く使われるようになり、様々な業界の課題解決に活用できるのではないかと注目を集めるようになってから数年が経つ。現状ではそこまで本格的に普及しているとは言えないように思うが、その理由のひとつに「質の高いデータを集める仕組み」がまだ十分に整っていないことがありそうだ。

少なともソナスでは「IoTが真に社会の礎となるためには、無線での高品質センシングを実現することこそが必要である」という思いを持っていて、有線と同等のクオリティを持つ無線システムの研究開発を進めてきた。

同社が手がけているのは乾電池で動く省電力の無線通信規格だ。近年はIoTの要素技術としても使われているもので、ほかにもSIGFOXやLoRa、Dust、ZigBeeなど様々なタイプがある。

従来、この無線通信規格においては「省電力と通信範囲、通信速度」がトレードオフの関係となり、これらを同時に満たすものがないことがひとつの課題となってきた。

たとえばDustは消費電力効率が高い点が強みである一方で電波環境やトラフィックの変動には弱かったり、省電力かつ長距離の転送を実現するSIGFOXやLoRaにも速度面で課題があったり。これらを兼ね備えている無線通信規格はなかったため、「アプリケーションによって無線規格を選んでいる」(ソナス代表取締役CEOの大原壮太郎氏)のが現状だという。

 

☆出典は:

jp.techcrunch.com