UCバークレー、天然由来のミネラルを利用して雨水を浄化する技術を発表
カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、マンガン酸化物でコーティングした砂を利用して雨水から有害物質を除去する方法を発表した。水不足に悩む地域において安全で豊富な水源の確保や、河川の汚染防止につながる。研究成果は、2018年8月30日付けの『Environmental Science & Technology』に「Chemical Regeneration of Manganese Oxide-Coated Sand for Oxidation of Organic Stormwater Contaminants」として掲載されている。
水不足に悩む乾燥地域の水源として、地下水が流れる帯水層を利用する方法が考えられる。都市部ではすでに雨水の再利用を一部の地域で行われており、例えばバイオスウェイル(Bioswale)と呼ばれる低湿地やレインガーデンでは、ごみをのぞいて表面の流出をふせぐための砂やマルチを敷いて水を集めている。このように雨水を帯水層に浸透させることができれば、必要になる時期まで貯水することが可能になるが、建物や芝生、道路を流れた雨水には、除草剤や農薬、毒性金属などの有害物質が含まれるため、その水質改善が重要になる。
そこで研究チームは、雨水をマンガン酸化物をコートした砂に通す方法を採用し、受動的で低コスト、非侵襲的に汚染物質を除去する雨水浸透システムを開発した。
土壌のいたるところにあるマンガン酸化物は、安全で環境にやさしい。さらに、除草剤、農薬、内分泌かく乱物質のビスフェノールA(BPA、いわゆる環境ホルモン)といった有機化学物質を分解して毒性を下げ、生分解性を高めることが知られている。
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