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理研と東大、太陽電池で動く皮膚に貼れる心電計を開発

 皮膚に貼って変形しても効率よく発電できる超薄型の太陽電池を搭載した心電計測装置を、理化学研究所と東京大のチームが開発した。外部電源を使わずに心電図を連続して得ることができるといい、医療、スポーツ分野での実用化が期待できるという。27日付の英科学誌ネイチャーで発表する。

 理研の福田憲二郎専任研究員らはこれまでに耐水、耐熱性に優れ、光をエネルギーに変える効率が高い、厚さ3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)のシート型有機太陽電池を開発した。ただ皮膚や衣服の上で変形すると電池の出力が不安定になるのが課題だった。

 柔軟性を高めるためにこの電池を形成する有機化合物などの2層の表面に、規則正しいナノスケールの凹凸構造を施した。その結果、柔軟性のある有機太陽電池としては世界最高となる発電効率を記録。入射角が45度に変化しても、表面の凹凸のために光の反射が減り、発電効率が下がるのを抑えた。

 この電池とセンサーをつなぎ、厚さ1マイクロメートルのポリマー製シートに載せた。人の皮膚に貼ると、外部電源なしで心電の測定ができたという。実用化へ向けて、福田さんは「取得データを保存、伝送する仕組みづくりの研究も検討したい」と話している。(小林舞子)

 

☆出典は:

digital.asahi.com