アマゾン、Alexaが賢くなる新機能を発表。文脈を覚えて自然に会話、自動でスキル有効化など
Amazonは米時間の4月26日、フランスで開催されているWorld Wide Web Conferenceの基調講演において、同社の音声AIアシスタントAlexaがより自然な会話が行えるよう、3つの機能をリリースすると発表しました。
その中でもっとも注目したい機能が「コンテキスト キャリーオーバー」。簡単にいうと直前の会話(命令)の内容から、与えられた質問(指示)の省略された語彙を推測する機能です。
例えば、「Alexa、明日のシアトルの天気は?」と訪ねたあと、続けて「来週は?」と質問すると、省略された「シアトル」「天気」を補完し、来週のシアトルの天気を回答するようになります。この機能、当初は米国、英国、ドイツで提供されるとのこと。
なお、一定期間「Alexa」の呼びかけが不要になるフォローアップモードを有効にすると、2回目の質問時に「Alexa」と呼びかける必要もなくなります。
他には、Alexaに情報を覚えておいてもらうメモリ機能が提供されます。これはGoogleアシスタントではすでに利用できる機能。ユーザーが「覚えておいて」と指示した内容を記憶するもので、例えば、友人の誕生日などを覚えさせ、あとでそれを自然な形で呼び出せるようになります。これはまもなく米国で導入されます。
最後の1つが、Alexaの膨大なスキルを必要に応じて自動的に有効化し、利用する「スキル アービトレーション」機能です。
例えば、Alexaにシャツについた油染みを取り除く方法を訪ねた場合、ユーザーがその存在を知らなかったとしても、Alexaがスキルの中から「Tide - Stain Remover」(染み抜きに関する情報を教えてくれるスキル)を選択し、起動するといった具合です。この機能は米国で段階的に導入されるとのことです。
ユーザーとしては無数にあるスキルの中から必要なものをいちいち選ぶ必要がなく、開発者としても、スキルを見つけてもらいやすくなるメリットがあります。ただ、似たような機能のスキルが複数あった場合、何がが優先されるのかといった、別の問題が起きる可能性があります。検索結果に対するSEO汚染のようなことにならないことは期待したいところです。
発表された機能は、どれも使用できると便利なことは間違いありません。とくにコンテキスト キャリーオーバー(とそれに伴うフォローアップモード)はAIとの自然な会話を実現するためにも重要な機能です。Alexa Machine Lerning部門で応用科学ディレクターを務めるRuhi Sarikaya氏は、これらの機能について、Alexaをフリクションフリー(摩擦やストレスを生まない)で使用するための第1歩だとしています。
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