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“日本が知らない”海外のIT: 世話すると良く光る? 光合成で発電 オランダのエコな27歳が「照明になる観葉植物」開発

欧州では、1960年代から各国政府による環境保全に対する取り組みが始まり、近年企業の動きもますます加速している。実際、2000年~12年の間で環境製品や環境サービス関連の雇用は290万人から430万人にまで増えている。

 環境意識の高まりは市民レベルでも。畜産が温室効果ガスを多く生み出すことに対する懸念から、ビーガン(肉や魚だけでなく酪農製品も食べない完全菜食主義者)が流行。スーパーのレジ袋は有料で、ほとんどの人がエコバッグを利用しているほどだ。

 オランダで一昨年大学を卒業したばかりの若手プロダクトデザイナーのエルミ・ウース(Ermi van Oers)さんも、環境保全のための挑戦を続けている1人。

 27歳の彼女が現在取り組んでいるのは、ヴァーヘニンゲン大学が開発した、植物の光合成システムを電力に変える技術の実用化。自然いっぱいの田舎で育った経験から「植物発電」による照明作りに取り組んでいる。

連載:“日本が知らない”海外のIT

日本にまだ上陸していない、IT関連サービス・製品を紹介する連載。国外を拠点に活動するライター陣が、日本にいるだけでは気付かない海外のIT事情をお届けする。

 

光合成による発電と電池の発電方法は似ている

 オランダ第2の都市であり、欧州最大の港を持つロッテルダム。ここに拠点を置くエルミさん率いる全7人のチームが開発中の製品は、照明の機能を持つ観葉植物「Living Light」だ。

 Living Lightはプランターに微生物燃料電池を組み込んだ、一見普通の観葉植物。一味違うのは、植物の光合成システムを利用して電球に光をともすということ。

 植物は光合成をする際に、有機化合物を土に放出するが、これにより土中のバクテリアが電子と陽子を作り出す。この一連の流れ、実は電池が電力を作り出す方法と類似しているという。Living Lightはこれを活用して植物から電力を作り出し、LEDランプを点灯させる。日中太陽の下に置いておくことで、約1時間光が持続する。

 

☆出典は:

www.itmedia.co.jp