飛行機の金属よりタフで軽い「スーパー木材」を開発
米メリーランド大学のエンジニアチームは、木材の強度を従来の10倍以上に高める技術を開発した。航空機や自動車などに使われているチタン合金よりも優れた耐久性が期待できるという。
軽く、しなやかで、耐久性がある「スーパー木材」を生み出す技術を開発したのは、メリーランド大学カレッジパーク校で物質科学を研究するリヤンビン・フー准教授とトン・リー准教授。
科学誌『ネイチャー』に今月8日に掲載された論文によると、チームは、木材の細胞壁に含まれる「リグニン」という物質を取り除いたあと、約65℃で加熱して繊維を圧縮させることで、結合を強める技術を開発した。
銃で撃つと、何も処理していない天然木は弾がまっすぐ貫通したが、スーパー木材は弾が内部にとどまった。強度は鋼やチタン合金と変わらないが、重さは6分の1と軽量で、曲げ加工など成形も可能だ。
さまざまな種類の木で応用できるので、パイン(松)やバルサなど、成長速度が早い木を使えば、チーク材などの高級木材に置き換えられるうえ、環境保全にもなる。
現在は、鉄やチタン合金が使われている自動車や飛行機、建築などあらゆる用途で使用が可能なので、製造コストの削減にもつながり、まさに「スーパーウッド」だ。
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