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最強囲碁AI「アルファ碁ゼロ」、将棋とチェスもマスター

ボードゲームでこのアルゴリズムに挑まないほうがいい。1日もたたずに人間を負かす方法を覚えてしまうからだ。
先だって、アルファベット(グーグル)傘下で機械学習を手がける子会社ディープマインドが大きな躍進を遂げたことを報じた。強化学習という人工知能(AI)の手法によって「アルファ碁(AlphaGo)」ソフトウェアを改良して、訓練用データを人間が与えなくても囲碁の勝負で人間を超える技能を獲得できるようにしたのだ。囲碁のルールを覚えさせただけで、AIは独自に試行を重ね、ついには人間のトッププレイヤーを負かす戦略を獲得した。この新しいソフトウェアは「アルファ碁ゼロ(AlphaGo Zero)」と名付けられた。ゼロは人間の入力をまったく必要としないからである。
12月5日にarXivに投稿された論文によると、ディープマインドの開発チームがアルファ碁ゼロの汎用化に成功し、他のゲームも学習できるようになったという。論文では、アルファ碁ゼロをチェスと将棋に適用した2つの例が紹介されている。将棋はチェスに似た日本のゲームである。いずれのゲームでも、アルファ碁ゼロは人間を超える技能を24時間以内に獲得し、「当然のように世界チャンピオンのプログラムも負かしました」と述べている。
AIがこれら2種類のゲームについてこれほど早く卓越した技能を獲得できたことは、それほどの驚きには値しないかもしれない。チェスも将棋も、囲碁ほどの複雑さはないからだ。しかし、アルファ碁ゼロを汎用化して異なるゲームをマスターできるようにしたディープマインドの業績から、マシン・インテリジェンスの適応能力が増していることがうかがわれる。
とは言え、AIが制覇していないゲームはまだある。おそらく最大のチャレンジは(ディープマインドはすでに取り組み始めているが)、「スタークラフト」のような非常に複雑なオンライン戦略ゲームだろう。このジャンルでは、いまだ人間に分がある。MITテクノロジーレビューが報じたように、AIが栄誉を勝ちとるには記憶やプランニングなどの新たな技能を獲得する必要がある。しかしそれも、それほど遠い話ではないだろう。

 

☆出典は:

www.technologyreview.jp