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遺伝子検査で「ステージ-1」のがんを発見――最先端医療で見えた日本の医療鎖国

 スティーブ・ジョブズを死に至らしめた病、「膵臓がん」。発病後の生存率が低く、再発リスクが高い、極めて困難なこの病気を克服した人物がいる。それは、ハイパーメディアプロデューサーこと、高城剛氏である。

 なぜ高城氏は、がんで命を落とすことがなかったのか。その秘密は、いい意味でのミーハー心にあった。今、医療の現場は、ゲノム解析やAIの普及により、根本的に変わりつつある。そんな変化に興味を持ち、一冊の本にまとめると決めた矢先のことだった。自らが検体となり様々な検査を受けていたところ、超初期のがんが見つかったのだ。

 リサーチを重ねる過程で、高城氏は偶然にも膵臓がんを発見し、発病リスクを極めて低く抑えることができた。その顛末を詳しく記したのが『不老超寿』(高城剛/講談社)である。不老“超”寿との表記は、「ハイパーエイジング」と高城氏が名付けたところからきている。ITを駆使した先端技術の医療のことを指す。今、医療の現場は「ハイパー」な進化を遂げているのだ。
■遺伝子検査でステージ-1のがんを発見

 高城氏が診断された膵臓がんのステージは「-1」。普通、がんの進行具合はステージ1~4で表す。それがマイナスとはどういうことか? 高城氏が受けたがん検査は「ミアテスト」というものである。この検査は今までにない遺伝子の状態を調べるものだ。

 カギとなるのは、血液中や唾液などに含まれる遺伝子の塩基情報である「マイクロRNA」(mi-RNA)である。このマイクロRNAは、「他の遺伝子の発現を調整するという役割」がある。つまり、がんなどの病気が発症すると、血液中のマイクロRNAの種類が変化する。この検査では、今まで見つけられなかった、ごく微少ながん細胞や転移の芽を発見することが可能だという。

 このミアテストの結果は、高城氏が数ヶ月以内に膵臓がんを発症する可能性を示唆していた。膵臓がんといえば、進行速度が極めて速く、見つかった時点では手遅れになることが多い。幸いにも「マイナス」が付くほどステージは低くごく微少ながんであった。
■安価なビタミンCでも治療ができる

 ではこの微少ながんをどう治療したのか。医療行為という意味ではほぼ、ひとつだけ、「高濃度ビタミンC点滴」である。これは今や世界のがん治療では定着しつつある、治療法。抗酸化物質であるビタミンCを大量に静脈に投与すると、強い抗酸化作用を誘発し、がん細胞のみを死滅させることができるのだ。しかも正常な細胞は傷つけず、副作用などはほぼない。

 

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