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波の力を使ってエネルギーを生み出すエコな装置「Wavestar」

太陽光発電水力発電風力発電など、二酸化炭素や窒素など有害な物質を出さずに発電することができるクリーンエネルギー。

そして新たなクリーンエネルギーを生み出す方法がデンマークの企業「Wave Star A/S」にて開発中であるという。彼らが着目したのは波の力だ。絶え間なく寄せては返す、「波」を使ってエコに発電しようという試みである。

波の力をエネルギーに変える仕組みとは?

同社が開発中の「Wavestar」は、波からエネルギーを生成する波力発電装置である。アームに支えられたフロートを海上に設置し、フロートが波により上下することで生み出された運動エネルギーを内部の発電機に送信して電力に変換する仕組みである。

現在のプロトタイプではフロートは2つ設置されているが、最終的なフルサイズでは20個のフロートが設置される予定だという。波が設置された20個のフロートを順番に揺らすことで、連続的なエネルギー生産とスムーズな出力が可能となっているとのこと。また、波はゆっくりと進むので24時間先の波を予想できるため、「Wavestar」によるエネルギー生成は風力発電よりも予測可能だという。

「Wave Star A/S」は、波力発電が人々にとって必要な全ての電力を生成するとは考えておらず、波力発電は多くのソリューションの一つだと考えている。そのため、「Wavestar」にはより効率的にエネルギーを生み出すため、風力タービンを併設できる設計になっているという。

ちなみに嵐などの悪天候時には、特許取得済みの独自の保護システムが嵐から装置を守ってくれるという。また波が高くなりすぎると、装置が自動的にフロートを引き上げる機能も搭載されている。

考案のキッカケと開発の道のり

多くの発電方法が考案されるなか、なぜ今までメジャーになってこなかったのか不思議な程、波の力は強いものである。「Wavestar」を考案したNiels Arpe Hansen氏も、2000年に訪れた両親のビーチハウスでセーリングをした際に、波の力強さを感じたという。この出来事をきっかけに、この強力な力を何かに使えないだろうかと考案されたのが波力発電機「Wavestar」である。

2004年には1/40スケール、翌年2005年には1/10スケールでのモデルが設計され、テストが行われた。2006年に実際に海に設置された1/10スケールモデルは、海において15,000時間以上の稼働時間を記録し、15もの嵐にも耐え、ダメージ一つ負うことはなかったという。そして2009年には1/2スケールまで大きくなっている。

2010年5月以降、毎月の電力生産報告書が作成されており、波力発電によるエネルギーの増加を示しているという。またレポートには波の高さなど波に関する情報と風速や方向などの風に関する情報が含まれており、有益なデータ収集の役割も担っているといえるだろう。

 

☆出典は:

bouncy.news